徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第百八十九段 今日は、その事をやろうと思ってても

今日は、その事をやろうと思ってても、予想もしなかった急ぎの用が先にできちゃって、まぎれてるうちに一日が過ぎて、待ってた人は不都合があって来れなくなり、期待できない人が来て、願ってた方面のことはダメで、思いもよらない類のことばっかりかなえられるんだ
鬱陶しいと思ってたことはスムーズで、簡単であろうことがめちゃくちゃ面倒なことになる
日々に過ぎて行く様子は、前もって思ってたのとは違ってしまうもんだよ
一年間のできごとだってこんなもの
一生の間もまた同じである

前もって立てたプランが全部うまくいかないかと思ったら、自然とうまくいく事もあったりして、ますます物ごとは予想不可能になる
何ごとも不確かで定められるものじゃない、と理解しておくことだけが真実であって間違いないんだ


----------訳者の戯言---------

Whatever will be, will be.
なるようになります。


【原文】

今日はその事をなさむと思へど、あらぬ急ぎまづ出で來て紛れ暮し、待つ人は障りありて、頼めぬ人はきたり、頼みたる方のことはたがひて、思ひよらぬ道ばかりはかなひぬ。煩はしかりつる事はことなくて、安かるべき事はいと心苦し。日々に過ぎゆくさま、かねて思ひつるに似ず。一年のこともかくの如し。一生の間もまたしかなり。

かねてのあらまし、皆違ひゆくかと思ふに、おのづから違はぬ事もあれば、いよいよものは定めがたし。不定と心得ぬるのみ、誠にて違はず。


検:第189段 第189段 今日は、その事をなさんと思へど 今日はその事をなさむと思へど 今日はその事をなさんと思へど