徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第百七十四段 小鷹狩り向きの犬を、大鷹狩りに使ってしまったら

小鷹狩り向きの犬を、大鷹狩りに使ってしまったら、小鷹狩りには使えねーってことになるって言います
大を選んで小を捨てるっていう理屈は、まったくその通りなんだよね
人にはやることがたくさんあって、そんな中でも、仏道に励むことを楽しみにするのより味わい深いことはなくって
これこそ、本当に大事なこと!
一度、仏道に目覚めて、これを志そうっていう人は、他のどの仕事をやめないことってあるかな?(どれもやめるでしょ)
何をやるっていうの?(やらないよな)
いくら愚かな人って言っても、賢い犬の心には劣らないだろうからね


----------訳者の戯言---------

最後の最後で犬をdisる展開。

結局のところ、出家サイコー。

鷹狩りというのは、「小鷹狩り」と「大鷹狩り」の二種類に分けられるらしいです。
ほー知りませんでしたな。
小鷹狩りは小さめの鷹を使ってウズラ、スズメ、ひばりなどの小鳥を獲り、大鷹狩りは大型の鷹でキジ、山鳥、鴨、ウサギなど獲るそうです。
そういえば第六十六段でキジを鷹狩りで獲った時に梅の枝に何かする場合の話がありましたっけ。

しかし、鷹狩りに犬を使うのか?
使うらしいんですねー、これが。それさえも知らなかった私。
みんな普通に知ってはることですか?
私のイメージでは、鷹を飛ばしたら、鳥とかウサギとかを捕まえて、その獲物を持って飛んで戻ってくる。
で、餌をやってヨシヨシすると。

しかし実際の鷹狩りは、まず隠れている獲物を犬が追い出し、飛び立った鷹がその獲物を捕らえるというチームプレー。
獲物を捕った鷹は地面にその獲物を下ろして、いったん小休止するらしいんですけど、そこに馬で鷹匠が駆け付け、餌をやって獲物と交換、というのがざっくりとした手順らしい。
もちろん、このほか細かくいろいろな作戦があるらしい、です。
ですから、所謂猟犬と同じで、鷹狩りに犬は必要ということになりますね。


【原文】

小鷹によき犬、大鷹に使ひぬれば、小鷹に惡くなるといふ。大に就き小を捨つる理、まことにしかなり。人事多かる中に、道を樂しむより氣味深きはなし。これ、實の大事なり。一たび道を聞きて、これに志さん人、いづれの業かすたれざらん。何事をか營まん。愚かなる人といふとも、賢き犬の心に劣らんや。


検:第174段 第174段 小鷹によき犬、大鷹に使ひぬれば