徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第七十四段 蟻のように集まって

蟻のように集まって東西に急ぎ南北に走る
身分の高い者あり低い者あり
老いた人あり若い人あり
行く所あり帰る家あり
夜寝て朝起きる
人の営みって何なんだろう
やたらと生に執着し 金を求めてやまない

身を養って何を待つっていうんだろう
結局行きつくところ
ただ老いと死となのにさ
そんなことすぐにやってくるものだし
一瞬で過ぎ去ってしまうものなんだよ
これを待つ間 何の楽しみがあるのだろう

※世俗にまみれている者はこれを恐れない
 名声や金に溺れて
 死の近いことを顧みないからなのさ
 愚か者はこれを悲しむ
 不死でありたいと願うばかりで
 物は変化するという道理を知らないからさ

      ※repeat


----------訳者の戯言---------

メッセージソング的。
ボブ・ディランとかの感じですか。

というわけで、今回は歌詞風(訳詞風)に訳して、それっぽく改行してみました。
何となくかっこいい。

3段落目はサビなので2回リピートでお願いします。


【原文】

蟻の如くに集りて、東西に急ぎ、南北に走る。貴きあり、賎しきあり。老いたるあり、若きあり。行く所あり、歸る家あり。夕に寝ねて、朝に起く。營む所何事ぞや。生を貪り、利を求めてやむ時なし。

身を養ひて何事をか待つ、期するところ、たゞ老と死とにあり。その來る事速かにして、念々の間に留まらず。これを待つ間、何の樂しみかあらむ。惑へるものはこれを恐れず。名利に溺れて、先途の近きことを顧みねばなり。愚かなる人は、またこれをかなしぶ。常住ならんことを思ひて、變化の理を知らねばなり。

 

検:第74段 第74段 蟻のごとくに集まりて 蟻の如くに集まりて