第六十三段 武者を集めること
正月の後七日の御修法っていう仏事を仕切る阿闍梨が武者を集めるのは、いつだったか盗人に遭うってことがあったので、「宿直人」と言ってこうやって大げさに警護させることになったんですよね
一年の吉凶はこの修法中の様子で占うものなんだから、武士を利用しようってこと自体、つまり穏やかじゃないということになるよね
----------訳者の戯言----------
仏教の行事には武士なんかいらん、ということか。
職業差別。
【原文】
後七日の阿闍梨、武者を集むる事、いつとかや盜人に逢ひにけるより、宿直人とてかく ことごとしくなりにけり。一年(ひととせ)の相は、この修中に有樣にこそ見ゆなれば、兵(つわもの)を用ひんこと、穩かならぬ事なり。
検:第63段 第63段 後七日の阿闍梨、武者をあつむる事 後七日の阿闍梨武者を集むる事 後七日の阿闍梨、武者を集むる事 後七日の阿闍梨武者をあつむる事