徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第六十一段 高貴な方のご出産の時

高貴な方のご出産の時、甑(こしき)を屋根から落とすというイベントは、決まりごとではありませんよ
胎児の胎盤や膜がうまく排出されない時のおまじないなんですね
後産が滞りなくスムーズだった時はこれはやりませんよ
この風習は庶民がはじめたことで、これといった根拠はないってことなのね
甑は大原の里のものを取り寄せて使うの
古い宝物庫にある絵に、身分の低い人が出産している所に、甑を落としてるのを描いてありましたよ

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----------訳者の戯言----------

そんな風習があったのか。

ちなみに甑(こしき)っていうのは当時使われていた調理器具で、米や豆の蒸し器とのことです。


【原文】

御産の時、甑落す事は、定まれることにはあらず。御胞衣滯る時の呪なり。滯らせ給はねば、この事なし。

下ざまより事おこりて、させる本説なし。大原の里の甑をめすなり。ふるき寳藏の繪に、賤しき人の子産みたる所に、甑おとしたるを書きたり。

 

検:第61段 第61段 御産のとき甑落す事は、さだまれる事にはあらず 御産の時甑落す事はさだまれる事にはあらず