徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第八段 世間の人の心を惑わすこと

世間の人の心を惑わすこととして、色欲に勝るものはありません
人の心というのはほんとに愚かなもんです

匂いなんてすぐ消えてなくなるようなものだし、一時的に衣に香を焚き染めるだけだとわかってるんだけど、その何ともいえない良い匂いに、いつも興奮しちゃうんですよねー

久米の仙人が、洗濯している女子のふくらはぎが白いのを見て神通力を失ったのは、手足・肌などがスベスベで、しかもいい感じで肉づきがいいのが、人工的につくった色香と違って、女子の体本来の生の魅力だからだったからで、なるほど、そりゃ仕方ないわなーと思いますね

 

----------訳者の戯言----------

早い話、エロの話なのですが、ま、今もそうなのですが、色欲というのはどうしようもないというね。
ま、香であるとか久米の仙人の話とか、それでも結構、下品にならないように気を遣っています。一応ちょっとした理屈を言うところが、兼好法師、なかなかかわいいですね。

 

【原文】

世の人の心を惑はすこと、色欲には如かず。人の心は愚かなるものかな。

匂ひなどは假のものなるに、しばらく衣裳に薫物すと知りながら、えならぬ匂ひには、必ず心ときめきするものなり。久米の仙人の、物洗ふ女の脛の白きを見て、通を失ひけんは、まことに手足・膚などのきよらに、肥え膏づきたらんは、外の色ならねば、さもあらんかし。

 

検:第8段 第8段 世の人の心まどはす事、色欲にはしかず 世の人の心惑はす事、色欲にはしかず