徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

2018-01-23から1日間の記事一覧

第二百三十九段 八月十五日、九月十三日は、婁宿の日である

八月十五日、九月十三日は、婁宿の日であるこの宿(日)は、清く明らかなので、月を愛でるのにふさわしい夜になるんだよ ----------訳者の戯言--------- 婁宿(ろうしゅく)っていうのは、月の見かけの通り道である白道を、27のエリア(星宿=星座)に等分割…

第二百三十八段⑦ 二月十五日、月の明るい夜、夜が更けてから

一つ二月十五日、月の明るい夜、夜が更けてから、千本釈迦堂に参詣して、裏口から入って、一人顔を深く隠して説法を聞いてたんですけど、上品で、姿、雰囲気が人とは違ってる女性が、人の間を分け入ってきて、私の膝に寄りかかって、匂いなんかも私に移るく…

第二百三十八段⑥ 賢助僧正のお供をして加持香水の儀式を見た時に

一つ賢助僧正のお供をして加持香水の儀式を見た時に、まだ式が終わらないうちに、僧正が帰られたんだけど、会場の外まで僧都の姿が見えなかったので、僧侶たちを戻して探させたんだけど「おんなじ格好のお坊さんでいっぱいで、見つけ出せませんー」と言って…

第二百三十八段⑤ 那蘭陀寺で、道眼上人が講義した時

一つ那蘭陀寺で、道眼上人が講義した時、「八災」の内容について忘れたので「これ、覚えてはる?」と言ったんだけど、弟子たちは誰も覚えていなくて、私が来賓席から「これこれでしょうか」と言ったところ、とても感心されたんだよね ----------訳者の戯言--…

第二百三十八段④ たくさんの人といっしょに比叡山の三塔巡礼をした時

一つたくさんの人といっしょに比叡山の三塔巡礼をした時、横川の常行堂の中に、「竜華院」と書いた古い額がありました「佐理か行成かのどっちかっていう疑いがあって、いまだ決着がついていない、って申し伝えてるんです」と、比叡山の僧たちが申しましたの…

第二百三十八段③ 常在光院の梵鐘の銘文は

一つ常在光院の梵鐘の銘文は、菅原在兼卿の下書きによるものなんだそれを(書家の)勘解由小路行房朝臣が清書して、鋳型にうつそうとされたんだけど、製作担当の入道が、例の草稿を取り出して私に見せましたら、「花の外に夕を送れば、声百里に聞ゆ」という…

第二百三十八段② 今の帝が、まだ皇太子でいらっしゃった頃

一つ今の帝が、まだ皇太子でいらっしゃった頃、万里小路殿の屋敷をお住まいにされてて、そのお屋敷の堀川大納言がご出仕なさっている詰所へ、用があって私、参ったんだけど、論語の四、五、六の巻をお広げになって「ただ今、皇太子殿下が『紫の朱奪うことを…

第二百三十八段① 自慢話が七つあるんだよ

御随身の近友が自慢話として七箇条、書き留めていることがあるんだどれも、馬芸とか、何てこと無いことばっかなので、その先例を参考にして、私にも自慢話が七つあるんだよね 一つ人を大勢連れて花見をして歩いた時、最勝光院のあたりで、男が馬を走らせてい…