徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

2017-10-31から1日間の記事一覧

第五十段 女が鬼になったのを

応長の時代の頃、伊勢国から女が鬼になったのを京都に連れてきたということがあって、その時、二十日ほど毎日、京の白川の人が、鬼見物にといって外出してあちこち出歩いていたんですそれで「昨日は西園寺に参詣してた」「今日は院の御所に参るんじゃないの…

第四十九段 年老いてから初めて仏道の修行を

年老いてから初めて仏道の修行をしようなどと待っててはいけません古いお墓の多くは若い人のお墓なんですよ思いがけず病気になって、たちまちこの世を去ろうかという時になって、はじめて過去の誤りを思い知るものなんだよねで、この誤りっていうのは他でも…

第四十八段 食い散らかしたお膳

(藤原)光親卿が(後鳥羽)院の御所で最勝経を講じて奉行されたので、後鳥羽院が御前に呼んでごちそうを出し、食べさせなさったので、食い散らかしたお膳を、光親卿は(院がいらっしゃる)御簾の中へ差し入れて退出したんです女性スタッフたちが「あら汚ら…

第四十七段 年老いた尼僧とご一緒することに

ある人が清水寺に参詣したとき、年老いた尼僧とご一緒することになったんだけど、道中「くさめくさめ」と言いながら歩いているので「尼御前、何のことをそんな風におっしゃってるんですか?」と質問したが、答えもなくてやはり言いやまないので、何回も質問…

第四十六段 強盗法印と呼ばれた僧

柳原のあたりに強盗法印と呼ばれた僧がいましたたびたび強盗にあったので、このニックネームがついたということです ----------訳者の戯言---------- 強盗法印というのは「ごうどうのほういん」と読むのだそうです。もしくは「ごうどうほういん」。しかしど…

第四十五段 めちゃくちゃ怒りっぽい人

藤原公世の二位の兄で、良覚僧正という人は、めちゃくちゃ怒りっぽい人でした僧坊の傍らに、大きな榎木があったので、人が「榎木僧正」と言ったんですがこのニックネームが気に入らない、と言ってその木をお切りになったのねで、その根は残ってたので今度は…

第四十四段 みすぼらしい竹の編戸の中から

みすぼらしい竹の編戸の中から、かなり若い男の人が出てきました月の光だけだから色合いははっきりしないけれど、光沢のある着物に濃い紫の袴がとても由緒ある感じで、まだ小さい子どもを一人だけお供にして、遥かに続く田の中の細道を、稲の葉の露に濡れそ…

第四十三段 春が暮れようとする頃

春が暮れようとする頃、空がのどかにしっとりと優しい感じに晴れている日、品のいい家があって、その奥深くは、木立も古めかしいいい感じで、散りしおれた花も見過ごせなくて庭に入ってみたら、南に面した格子戸は全部おろして寂しげなのに、東向きの扉はい…