徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第二百三十三段 全てにおいて間違いがないようにと思うんなら

全てにおいて間違いがないようにと思うんなら、何ごとにも真心を持って、人を差別せず、礼儀正しく、口数は少ないのに越したことはないよ
男も女も、老人も若者も、そういう人はみんないいもんだけど、特に若くて見た目もかっこよくて、きちんとしてて礼儀正しい人っていうのは、印象に残るし、好感度も高いよね
全てにおいてダメなのは、馴れてる感じで上から目線、得意げな態度で人をないがしろにすることだよ


----------訳者の戯言---------

実は身分差別や性差別等々、本人自らしてますからね、兼好。
そこに気が付いてないところが、なかなか凄いですね。

たしかにポリコレって行き過ぎがちにはなるものなんですが、私思いますに、結局は教養と想像力の問題なのでね。
ミスると結構恥ずかしい。
人のこと言う前に兼好も気をつけるべきですね。
もう死んでるから言っても仕方ないですけど。

やっぱ「偉そう」「上から」はあかんということです。
けど、兼好もちょいちょい小自慢入りますから、これまた他人のこと言えるんかな、とちょっと思いますね。


【原文】

萬の科あらじと思はば、何事にも誠ありて、人を分かず恭しく、言葉すくなからんには如かじ。男女・老少、みなさる人こそよけれども、ことに若くかたちよき人の、言うるはしきは、忘れがたく、思ひつかるゝものなり。

よろづのとがは、馴れたるさまに上手めき、所得たるけしきして、人をないがしろにするにあり。


検:第233段 第233段 万の咎あらじと思はば