徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第二百十二段 秋の月は、この上なく素晴らしいものだよ

秋の月は、この上なく素晴らしいものだよ
「いつだって月って、こんなもんでしょ」と、違いがわからない人っていうのは、まったく情けないよね


----------訳者の戯言---------

ま、兼好法師は月大好き人間ですからね。
第百三十七段でもマニアックなところが垣間見られます。

秋の月がきれい、っていうのは、科学的根拠があるらしいです。
感覚的なもの、気分だけのものではないようなんですね。

そもそも秋冬は空気が他の季節に比べて乾燥しているので、月もくっきりと見えるんだとか。
明るい星が少なくて空が暗めなのもいいらしいですね。
夏は湿気が多いため、どうしてもぼやけた月になってしまうことが多いようです。
春はよく「おぼろ月」と言われるように、空気中のちりや花粉、黄砂なんかが多い季節ですから、やはりくっきりときれいな月とはいえないんでしょう。
冬は月の高度が高すぎて見づらいのと、明るい星が多いために月を見るにはデメリットになってしまうらしいです。
なるほど。


【原文】

秋の月は、限りなくめでたきものなり。いつとても月はかくこそあれとて、思ひ分かざらん人は、無下に心うかるべきことなり。


検:第212段 第212段 秋の月は、かぎりなくめでたきものなり