徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第百八十六段 吉田っていう馬乗りが言ったのは

吉田っていう馬乗りが言ったのは「馬ごとに手ごわいもんですねん。人の力では争うたらあかん、ってわかっとかんとあきませんわ。乗ろうとしてる馬をまずよう見て、得意なことと、弱点を知るべきですわね。で次に、轡(くつわ)や鞍の道具に、危ないとこがあるかどうか見て、気になるとこがあったら、その馬は走らせたらあきません。この用意を忘れへん者を『馬乗り』って言うんです。これが秘訣ですな」ってことでした


----------訳者の戯言---------

前段に続いてプロフェッショナル、エキスパートの話。


【原文】

吉田と申す馬乘りの申し侍りしは、「馬ごとに こはきものなり。人の力爭ふべからずと知るべし。乘るべき馬をば、まづよく見て、強き所、弱き所を知るべし。次に轡・鞍の具に、危きことやあると見て、心にかゝる事あらば、その馬を馳すべからず。この用意を忘れざるを馬乘りとは申すなり、これ秘藏のことなり」と申しき。


検:第186段 第186段 吉田と申す馬乗りの申し侍りしは