徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第百八十五段 城陸奥守(安達)泰盛は、比類なき馬乗りである

陸奥守(安達)泰盛は、比類なき馬乗りである
馬を引き出させる時、脚を揃えて敷居をひらりと越えるのを見て、「これは気の荒い馬である」と言って、鞍を(別の馬に)置き換えさせたんだ
また、脚を伸ばして敷居に蹴り当てると、「これは鈍感なので、失敗があるに違いない」と言って、乗らんかった

道を理解してない人は、こんなにも怖がるだろうかな?
(理解してる人だからこそ、十分注意するっていうわけだね)


----------訳者の戯言---------

兼好法師、こういう話たぶん好きなのね。
名人、エキスパートっていうのは事の詳細をわかってるから慎重だってこと。


【原文】

城陸奧守泰盛は、雙なき馬乘りなりけり。馬を引き出でさせけるに、足をそろへて閾をゆらりと超ゆるを見ては、「これは勇める馬なり」とて、鞍を置きかへさせけり。また足を伸べて閾に蹴あてぬれば、「これは鈍くして過ちあるべし」とて乘らざりけり。

道を知らざらん人、かばかり恐れなんや。


検:第185段 第185段 城陸奥守泰盛は、さうなき馬乗りなりけり