徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第百四十六段 人相占い師

明雲座主が、人相占い師に会われて「私はもしかしたら武器で災難に合う可能性あります?」とお尋ねになったところ、その占い師が「まさにその相がございます」と言ったんだ
「どんな相だ?」とお尋ねになったら「傷つけらるような可能性がない立場の方なのに、仮定の話としても、このように思われてお尋ねになったこと、これが既にその危険の兆候なのです」と申したのね
結果的には、矢に当たってお亡くなりになったんです


----------訳者の戯言---------

人相占いですね。

ここで言われているのは、現代で言うところの「コールド・リーディング」というものです。
ただ、この占い師の方、人が善いというか、タネあかししちゃってます。
プロは普通は言わないんですけどね。
ただ、この占い師はスキルが高いと言えるでしょう。
また、占いが単なるオカルトではないということでもあります。
このほか、「ホット・リーディング」というのも存在するんですが、ここでは割愛。

いずれも詳細はググってみてください。


【原文】

明雲座主、相者に逢ひ給ひて、「己若し兵仗の難やある」と尋ねたまひければ、相人、「實(まこと)にその相おはします」と申す。「いかなる相ぞ」と尋ね給ひければ、「傷害の恐れおはしますまじき御身にて、假にもかく思しよりて尋ね給ふ。これ既にそのあやぶみの兆なり」と申しけり。

はたして矢にあたりて失せ給ひにけり。


検:第146段 第146段 明雲座主、相者にあひ給ひて 明雲座主相者にあひ給ひて 明雲座主、相者に逢ひ給ひて