徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第百十段 双六の上手という人に

双六の上手という人に、そのやり方を質問しましたら「勝とうとして打ってはならない。負けまいと打つべきです。どの手を打てば早く負けるだろうと考えて、その手を使わずに、一目でも遅く負けるような手をすべきです」と言うんです

その道をよく知った教えであり、自分の身を律したり、国を治めたりする方法も、また同じですね


----------訳者の戯言---------

ここで出てくる双六というのは、盤双六のことだそうです。私の知っている「すごろく」とはちょっと違います。
白と黒、双方15個ずつの石をどちらが先に全てゴールさせることができるかを競うそうです。

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元々はバックギャモンが原型らしいですね。

バックギャモンは世界最古のボードゲームなんだそうですよ。
で、それが奈良時代飛鳥時代に日本に伝わったのだとか。

本題について。
ま、負けない、っていうのはギャンブラー、特にプロフェッショナルのギャンブラーの条件らしいです。
パチンコとかパチスロもそうですね、つぎ込み過ぎず、プラスの時点で適度に切り上げる。
麻雀なんかも、手が良くないときは、振り込まない、早めに下りる、ということも大事らしいですね。


【原文】

雙六の上手といひし人に、その術を問ひ侍りしかば、「勝たんとうつべからず、負けじとうつべきなり。いづれの手か疾く負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目なりとも遲く負くべき手につくべし」といふ。

道を知れる教、身を修め、國を保たむ道も、またしかなり。