第百一段 大臣就任式の節会
ある人が、大臣就任式の節会(式後の宴会)のMCをつとめた時、担当役人の持っていた帝の公式文書を受け取らずに、ステージに上がってしまいました
とんでもないミスなんだけど、戻って取ってくるわけにもいかず、困られてたんで、六位の外記康綱が衣かづき姿の女官に頼み、その文書を持たせて、こっそりと差し上げたんですね
お見事でした
----------訳者の戯言---------
本題に全然関係ないんですけど、そういえば「きぬかづき」は第七十段にも出てきましたよ。
【原文】
ある人、任大臣の節會の内辨を勤められけるに、内記のもちたる宣命を取らずして、堂上せられにけり。きはまりなき失禮なれども、立ち帰り取るべきにもあらず、思ひ煩はれけるに、六位の外記康綱、衣被の女房をかたらひて、かの宣命をもたせて、忍びやかに奉らせけり。いみじかりけり。
検:第101段 第101段 或人、任大臣の節会の内弁を勤められけるに 或人任大臣の節会の内辨を勤められけるに 或人任大臣の節会の内弁を勤められけるに