徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第二十七段 ご譲位の儀式が行われて

ご譲位の儀式が行われて、剣、璽、内侍所の三種の神器を次の天皇にお渡しする時はすごく寂しい気持ちになります

新院(花園上皇)がご譲位なさった春、こんな歌をお詠みになったそうですよ

殿守のとものみやつこよそにして掃はぬ庭に花ぞ散りしく
(庶務担当部署の職員が新院の御所はよそごとにしてしまってるので、お掃除をしてない庭に桜の花びらが散乱しているよ)

今の帝(後醍醐天皇)になって新しい御代の仕事が忙しいのを言い訳にして、院の方には参る人もないなんて寂しいことです
こんなところに人の本心って出ちゃうもんなんだろうね


----------訳者の戯言----------

剣、璽、内侍所。今の感覚だとすごくわかりにくいんですけど、
宝剣=草薙剣
神璽=八尺瓊勾玉
宝鏡=八咫鏡
ってことらしく、つまり、この三つで三種の神器ということらしい。特に内侍所なんか、置いてる場所ですからね! それで意味が通じてたのがすごい。今だったら、「内閣官房」とか「都庁」とかって感じか。わかるかよ! 時代は変わったもんだ。

さて現代では、今上天皇のご譲位問題がようやく法制化され、2019年の5月にご譲位となるようです。

兼好法師がこれを書いた鎌倉末期~南北朝の頃というのは、このような生前譲位は普通にあったようで、「新院」とあるように、その前から、他にも院、つまり上皇がいらっしゃたとのこと。後伏見上皇後宇多上皇の二人もいたんだって。だからここで出てくる花園上皇は3人目の院、なんですね。

当時は、天皇家大覚寺統持明院統の2つの血筋があったわけで、ま、交互に天皇を出してたし、情勢によってコロコロと天皇も変わってたわけですかね。そういう争いもあったし、幕府(武家)と朝廷(天皇家、公家)との権力争いもあって、誰がどっちについたとか、誰が誰を立てたとか、ややっこしい時代であったのは間違いないですね。

だから、この段みたいなこともあったんでしょうね。今でも、政権交代したら役人が戸惑うってあったわけでしょ。民主党の時とか。今は今で、役人が安倍さんや菅官房長官の顔色伺うとかねー。上が変われば態度変える人がいるっていうのはよくある話です。もちろん民間の会社でもね。


【原文】

御國ゆづりの節會行はれて、劒・璽・内侍所わたし奉らるゝほどこそ、限りなう心ぼそけれ。

新院のおりゐさせ給ひての春、よませ給ひけるとかや、

殿守の伴のみやつこよそにして はらはぬ庭に花ぞ散りしく

今の世のことしげきにまぎれて、院にはまゐる人もなきぞ寂しげなる。かゝるをりにぞ人の心もあらはれぬべき。

 

検:第27段 第27段 御国ゆづりの節会おこなはれて 御国譲りの節会行はれて 御国譲りの節会おこなはれて 御国ゆづりの節会行はれて