徒然草 現代語訳 吉田兼好

徒然草を現代語訳したり考えたりしてみる

吉田兼好の徒然草を現代の言葉で書いたり、読んで思ったことを書いています。誤訳や解釈の間違いがありましたらぜひご指摘ください。(序段---冒頭文から順番に書いています。検索窓に、第〇〇段、またはキーワードを入力していただけばブログ内検索していただけると思います)

第三段 恋愛しないような男はつまらない

たとえなんでもできたとしても、恋愛に積極的じゃない男は、全然つまらなくて、例えて言えばキラキラしたグラスの底が抜けているような気がするんですよね

雨や霜でぐしょぐしょになって、家に行ける彼女も決まらなくて、さまよい歩いて
親に叱られたり、世間の人から軽蔑されたりしては生き方に躊躇して
気持ちに余裕もなくて、ああでもない、こうでもない、と思い悩んで
かえって一人寝のことが多くて、悶々としてまどろむことさえできないような、つらい夜を過ごす、そういう奴のほうが実は魅力的なのですよ

とは言っても、ただただ恋愛体質なわけではなく、女子たちから見ると「カンタンには落とせない男子」だと思われるのこそ理想なわけですね

 

【原文】

萬にいみじくとも、色好まざらん男は、いとさうざうしく、玉の巵の底なき心地ぞすべき。

露霜にしほたれて、所さだめず惑ひ歩き、親のいさめ、世の謗りをつゝむに心のいとまなく、合ふさ離るさに思ひ亂れ、さるは獨り寢がちに、まどろむ夜なきこそ、をかしけれ。

さりとて、一向たはれたる方にはあらで、女にたやすからず思はれんこそ、あらまほしかるべき業なれ。

 

検:第3段 第3段 萬にいみじくとも 万にいみじくとも